離岸流により十数人が沖に流され1名死亡 静岡下田・白浜

29日午前10時55分ごろ、下田市白浜の白浜大浜海水浴場で、離岸流により十数人が沖に流された。多くは自力で浜辺に戻ったり、ライフセーバーや消防隊員に救助されたが、千葉県船橋市の会社員の男性(22)は搬送先の病院で死亡した。東京都西東京市の男子高校生(17)も低体温症で病院に搬送されたが、命に別条はないという。
 下田署や下田地区消防組合によると、2人がおぼれているとの通報が入り現場に向かったところ十数人が離岸流で沖合50〜60メートルに流されているのを確認したという。ライフセーバーと消防隊員が救助ロープを使い男子高校生を含む6人を引き上げた。会社員の男性は発生から約2時間後、静岡市の防災ヘリが浜辺近くで発見し、ライフセーバーや消防隊員が浜へ引き上げた。友人2人と海水浴を楽しんでいたという。
 同海水浴場は28日まで下田市夏季海岸対策協議会から委託を受けたライフセーバーが監視していた。29日は委託期間が終了していたため監視態勢が敷かれていなかった。ライフセーバーは片付けのため海水浴場を訪れていて、救助に当たった。
 静岡地方気象台によると、下田市を含む伊豆南に波浪注意報が出されていた。台風12号の接近により海は荒れ模様で、うねりを伴う高波が予想されていたという。

注)離岸流(リップカレント)とは
浜から沖に向かって幅30~50mの海水の流れの帯が数百メートル感覚で並ぶ現象。
流速は毎秒1.2メートル程度、普通の人がこの流れに逆らって岸に泳いで戻るのは不可能。
脱出するには浜と平行に泳ぐこと。

2011/08/30
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