マダニ媒介「オズウイルス」で初めて死亡確認 茨城の70代女性
2023年6月23日 厚生労働省は2022年、茨城県内で心筋炎で死亡した70代の女性について、マダニが媒介すると考えられている「オズウイルス」というウイルスによる感染症と診断されたことを発表しました。
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厚生労働省によると、2022年夏ごろ、茨城県の病院で発熱や倦怠感を訴えて受診し心筋炎で亡くなった70代の女性の患者について、入院時に右足の付け根にマダニがかみついていたことが確認されていたことなどから、検査を行ったところオズウイルスによる感染症と診断されたということです。
〇ここ数年はマダニによる感染症として「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」「日本紅斑熱」などが話題になることが多かったですが、自然の中で活動する人は服装や虫よけも活用して対応していきましょう。
ダニにかまれることによって様々な感染症にかかることがあることが知られています。
〇これらの感染症は,草むらややぶなどに生息している一部の「マダニ類」「ツツガムシ類」にかまれることによって感染します。「ダニ」といっても,食品などに発生するコナダニや,衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど家屋内に生息するダニとは種類が異なります。
〇マダニが媒介するウイルス感染症を予防するためには、マダニに咬まれないようにすることが重要です。マダニの活動が盛んな、春から秋に多くの発生が見られることから、農作業やレジャーなどで、森林や草むら、藪などに入る場合には十分注意しましょう。
・森林や草むら、藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、肌の露出を少なくする。
・長袖・長ズボンを着用する。
・シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる。
・足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)を履く。
※熱中症の心配もあります。水分補給と定期的な休憩を忘れずに。
・化繊の服はマダニが付着しにくく、明るい色の服はついたマダニが発見しやすい。服についたマダニは、ガムテープで取り除く。
・衣類についたマダニを家に入れないために、上着や作業着を家に入る前に脱ぐ。外から帰ったらシャワーや風呂に入り、ダニがついていないか確認する。ペットからの感染にも注意しましょう。
〇マダニが皮膚に吸着しているのを発見したら、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり,マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあります。医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。
日本農業新聞「感染症媒介マダニ 服や虫よけで徹底対策」
国立感染症研究所「オズウイルス感染症とは」
厚生労働省「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A」